2003年 チェンソーアート 
アメリカ滞在日記 夏編

その6
オールド・サンボン・デイズ
2003年7月12日〜7月14日
再編集日:2005年7月5日

再編集
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新聞記事

7月12日  
6時起床。さっそく準備をはじめる。ナイアガラに近い町、ここリウスタン(ニューヨーク州)で、約44日間にわたって開かれている「アートフェスタ2003」(リウスタン・カウンセル・オン・ザ・アーツ主催)というイベントの一つとして、今日と明日の二日間、サンボーンという町の消防署敷地内でクラフトフェア「オールド・サンボンデイズ」があり、そこでチェンソーアートのショーをおこなう。クラフトフェアはそんなに広くない会場にびっしりとブースが並び、それぞれの作品を展示販売していた。あいかわらずの屋台をはじめ、ハンバーガーやコーラなどは主催者である、ロータリークラブのおじさん達がエプロンをしめて販売。手作り感あふれる地元の小さなお祭りといった感じ。ただ、あいにくのお天気で小雨がちらつきかなり寒い。
1日3回のステージで、できた作品は販売してよい。カジュアルなフェアなので気楽にやってくれれば良いという。
セッティングが整い、在庫の彫刻品をならべ、さっそくデモショーをおこなう。
1回目、11時に定番の「フクロウ」を制作、2回目、1時30分に「熊」3回目はゆうだちの中、3時30分に「イーグル」を彫る。そんなに観客は多くないが、雨のなかみんな熱心に見てくれるし、「どこから来たのか?」「何故日本人がこんな事をしているのか」「家の庭にスタンプ(根を残して途中でカットしてある)を彫って欲しい」など沢山質問してくる。ジェンが丁寧に対応してくれる。
片付けをして、6時頃、隣町のホームセンターまで必要な工具等を買いに行き、その帰りに民家のようなイタリアンレストラン「DeFlippo's」を見つけて食事をする。そごく賑やかなお店で客があふれているある。このレストランは素晴らしかった!1785年からつづいているというオリジナルレシピのトマトソースは絶品だったし、子羊のステーキは言うことなし。一般的な付け合わせであるフライドポテト(フレンチフライ)までがすごく美味しかった。なにより、働いている人達がみんなすごく楽しそう。きけば開拓時代から家族で運営しているという。ランチョンマットに家族の歴史がわかる写真が載っていて、グレースケリーに似た美しい花嫁は、現在貫禄ある姿で店を切り盛りするマダムだった。ワインもオリジナルで美味しい!店全体にあふれる「美味しい気」にすっかり感動してしまった私たちは、そのままレストランの二階のホテルに泊まる事にした。部屋も古いが、すごくセンスが良い。トイレ&シャワールームも美しい。キャンピングカーに戻っても全員が浴びれるだけのシャワーの水が無いし、今日たくさん作品売れたし、それにこんな素敵なファミリーホテルに泊まれる機会なんてめったにない。※主催者のエバと町のえらい人たちだそうです。

7月13日  やった!今日はすごく良い天気!ホテルでリラックスした朝食を済ませ会場へ。朝から大勢の人で賑わっている。今日は古い車の展示もあるようだ。さっそく老夫婦から「フクロウ」の注文をもらい最初のステージ(本日1回目)で彫る。昨日彫ったクマも少し塗装してみる。
2回目のステージで「イーグル、クマ、アライグマ・ヘッド」を彫っていたら、入れ墨をした、カッコイイカップルがイーグルヘッドにハーレーのマークを彫れるかと聞いてきた。「ハーレー?」と聞き直すと、隣にいた入れ墨だらけの痩せたジャンキー風の人のシャツをめくって、彼のお腹に彫ってあるハーレーダビットソンのマークをみせて「これだ」という。
3時30分ころ、雷を伴った夕立が来る。会場の両側2ブロックほど先は青空なのに、会場だけ大雨。雨は一時間ほどでやんだが、5時でイベント終了なのでそのまま片づけをする。もっと、彫りたかった・・。
そして、今日はこのイベントのオーガナイザーであるイバの家に泊めていただく事になった。一目で心の大きな人だとすぐわかる、そんな笑顔を持ったイバの家には、御神木のように大きなオークの木があり、庭の片隅にはハーブガーデンが、家の中はさまざまなアート作品で飾られていて、すぐそばには対岸がカナダだというナイアガラリバーが流れ、美しい夕日とともになんか癒されてしまった。
イバ自身も陶芸家で、現在は、アートによる町づくりをしているそうだ。日本にすごく興味を持っていて、ケイジのカービングをてばなしで喜んでくれた。
 少し寂しいお別れ。ジェンとザックは今から、彼らの故郷ジョージアに約20時間かけて帰るという。お母さんが彼らが来るのを待っている。ブッキングビジネスのほんとに忙しいなか、私たちをヘルプするため付いてきてくれてありがとう。ジェンがやってくれていた様々な交渉事を二人だけでこれからできるのか、すごく不安だ。


7月14日  9時、イバの作ってくれた朝ご飯を食べ、リーさん宅にスタンプカービングをしに行く。土曜日にケイジのカービングを見てすっかり気に入ってくれた彼は、自分の庭の木に彫って欲しいとオーダーしてくれた。たしか、高さ1メートル50センチと言っていたので丁寧に彫っても、3時ころには終わるだろうから、そしたら、イバの友達のジェットボートに乗せてもらって、ナイアガラの滝の真下まで連れてってもらおう、夜はイバが企画する野外ジャズコンサートを聞きに行こう。すごい楽しみだ。きっといい思い出になるだろう、と考えていた。
閑静な住宅街にある彼の家は、やはり木立と芝生が美しい。が、指定された木は裏庭にある高さ3メートルのメープル。この木にフクロウを二羽彫って欲しいという。
ちょっと聞いていた話と違うぞ、と思うが気を取り直して、ハシゴに登って、さっそく作業する。他のものはたいてい頑丈にできているのに、何故、アメリカのハシゴはみんなこうもガタガタなのだろうか。足場が悪いと作業能率が極端に低くなる。
スタンプカービングの値段は根本から1フィート(約33センチ)いくらと値段が決まっている。高ければ高いほど、危険度と困難度が高まるからだ。今回の場合たしかに、作品全体の大きさは1メートル50センチくらいなのだが、本来は一番高いところから測定しないと、ちょっと値段があわないが、これを英語で交渉するのは難しい。しかし、この美しい環境に自分の作ったカービングがずっと家族の憩いと思い出となってあるかと思うとどうしても気合いが入ってしまう。結局終わったのは夜の8時。10時間かかった。リー夫婦と記念撮影。片づけをして、帰ったのは9時。リーさん夫妻にナイアガラリバーのほとりのレストランでご馳走してもらって帰った時には、コンサートも終わっていた。お楽しみがなくなったのは残念だったが、大変喜んでもらったので達成感が心地良い。
夜の古い街並みを歩く。マクドナルドも古い街並み景観をこわさないように工夫されていた。

完成したフクロウ2羽。    完成した全体像。

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